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土佐和紙壁紙 施工マニュアル
土佐和紙壁紙を美しく仕上げるための、下地処理・接着剤・施工手順・継ぎ目の納め方・保管方法をご案内します。
土佐和紙壁紙は、一般的なビニルクロスよりも繊細な紙素材です。下地の状態や糊の付着が仕上がりに影響するため、壁紙施工の知識を持つ専門施工業者による施工をおすすめします。
製品の特徴と仕様
土佐和紙壁紙は、自然素材を主原料としたロールタイプの機械抄き和紙です。素材の性質を理解し、折れ・こすれ・水分・糊の付着に注意して取り扱ってください。
有効幅
有効幅は約100cmです。実際の製品幅は約103〜104cmあり、耳を含む部分は継ぎ目の仕上げ方法に合わせて使用または裁断します。
施工方向
基本的に縦・横の方向性はありません。壁面の寸法や継ぎ目の位置を考慮し、縦貼り・横貼りを選択できます。
ロットの確認
自然素材のため、製造ロットによって色や風合いに差が生じる場合があります。同一空間には、できる限り同じロットをご使用ください。
取り扱い
強く折り曲げたり、表面をこすったりしないでください。糊付け後は積み重ねを避け、折りじわがつかないように扱います。
下地処理
和紙壁紙は下地の色や水分の影響を受けやすいため、施工前の下地処理が重要です。下地は平滑で、色と吸水性が均一な状態に整えてください。
| 石膏ボード | 目地やビス穴をパテで平滑に処理します。必要に応じてシーラーで吸水調整とアク止めを行ってください。 |
|---|---|
| モルタル・合板 | 下地の水分やアクの影響を防ぐため、下地に適したシーラーで処理してください。 |
| 白色・淡色の和紙 | 下地の色むらが透ける場合があります。全面パテやカラーシーラーなどで、下地の色を均一に整えてください。 |
| 異種下地 | 石膏ボードと合板など、異なる下地を併用すると仕上がりに差が出る場合があります。吸水性と色を均一に調整してください。 |
- 鉛筆や墨などの書き込みは除去する
- 釘やビスなどの金属部分には錆止めを行う
- パテは下地に近い色を使用する
- パテとシーラーを十分に乾燥させる
- 雨漏りや結露など、水分の原因を施工前に解消する
接着剤
和紙壁紙に適した、品質の安定した接着剤をご使用ください。接着剤の種類や希釈率は、施工環境と各メーカーの仕様を確認して調整します。
推奨接着剤
- ピュアラ/ヤヨイ化学工業
- ルーアマイルド/ヤヨイ化学工業
- ウォールボンド100・200/ウォールボンド工業
- 上記と同等以上の品質を持つ接着剤
糊付けの目安
糊量は一般的なビニルクロスと同程度を目安とし、塗布むらが出ないよう均一に付けます。ウォールボンド100は原液で使用し、その他の製品はメーカー指定の希釈率を優先してください。
接着剤の仕様は変更される場合があります。使用前に、接着剤メーカーの最新の施工要領をご確認ください。異なる接着剤を混合して使用しないでください。
基本の施工手順
- 壁面の寸法を確認し、間口ごとに材料幅と継ぎ目の位置を割り付けます。
- 割り付けに合わせて材料を裁断します。耳を除く場合は、糊付け前または糊付け機のスリッターで整えます。
- 裏面へ接着剤を均一に塗布します。表面へ糊が付かないよう注意してください。
- 大きくたたみ、クロスボックスやクロスバッグへ1〜2枚ずつ入れます。積み重ねや強い折り曲げは避けてください。
- オープンタイムは約10分を目安とし、湿度や接着剤、下地の状態に合わせて調整します。
- やわらかい撫で刷毛を使い、上から斜め下へ空気を抜きながら貼り進めます。表面を強くこすらないでください。
- 継ぎ目、入隅、出隅、建具まわりを整え、表面への糊の付着や汚れがないか確認します。
材料の折れやしわを防ぐため、二人での施工をおすすめします。壁面以上に糊の塗布量とオープンタイムへ注意してください。
継ぎ目の納め方
土佐和紙壁紙には、重ね貼りと突き合わせ貼りがあります。素材の表情、施工場所、仕上がりの希望を確認し、施工前に納め方を決定してください。
重ね貼り
和紙壁紙の基本的な施工方法です。約1〜2cmを目安に重ね、部屋の入口から見たときに重なりが目立ちにくい方向で納めます。
両側の耳を残す
両側の毛羽立った耳をそのまま重ねます。素材を有効に使え、和紙らしい継ぎ目になります。
片側の耳を残す
片側の耳を裁断し、残した耳を上に重ねます。継ぎ目の表情を調整しやすい方法です。
両側の耳を裁断する
両側を裁断し、約0.5〜1cm重ねます。直線的で整った継ぎ目になりますが、重なりの厚みが見える場合があります。
重ね方向
室内の入口側から見て継ぎ目が目立ちにくくなるよう、重ねる方向を統一します。
突き合わせ貼り
耳を化粧断ちし、隙間や重なりが生じないように突き合わせます。乾燥に伴う目開きを防ぐため、糊量やオープンタイムの調整が必要です。
通常の突き合わせ
糊付け前に寸法を合わせて化粧断ちし、裁断面同士を丁寧に合わせます。
重ね裁ち
壁紙の縁を重ねた状態で裁断します。下地を傷つけないよう、下敷きテープなどを使用してください。
※自然素材のため、継ぎ目や色の濃淡が見える場合があります。継ぎ目を完全に消す素材ではありません。
入隅・出隅・建具まわり
入隅・出隅
可能な範囲で、角を切らずに巻き込んで施工すると納まりが安定します。角で継ぐ場合は、わずかに巻き込んでから次の材料を重ねます。
建具・サッシ上部
横貼りを取り入れることで、細かな継ぎ目を減らせる場合があります。周囲の壁面と継ぎ目の方向を確認して施工してください。
破れが生じた場合
小さな破れは、繊維を整えながら接着剤で貼り戻します。表面を強くこすらず、境目をやさしくなじませてください。
コーキング処理
必要に応じて、壁紙の色や素材に適したコーキング材を使用します。目立たない場所で仕上がりを確認してから施工してください。
リフォーム時の注意点
既存のビニルクロス
ビニルクロスの上へ直接施工せず、既存クロスを剥がして下地を整えてから施工してください。
土壁・珪藻土など
表面が不均一な下地への直接施工はおすすめしていません。既存仕上げを除去するか、石膏ボードなどで下地を新設してください。
既存の和紙壁紙
下地と既存壁紙の状態が良好な場合は、重ね貼りが可能なことがあります。浮き、汚れ、水分の有無を確認してください。
水染み・カビ
上から覆う前に、雨漏り、結露、下地の含水など、発生原因を解消してください。
保管・メンテナンス
施工前の保管
- 水濡れを避ける
- 直射日光を避ける
- 高温多湿の場所を避ける
- 光を遮る包装のまま保管する
- 到着後は長期間保管せず、早めに施工する
施工後のお手入れ
- 表面のほこりは、柔らかいブラシや掃除機で除去する
- 水や汚れは、こすらず清潔な布で軽く押さえる
- 洗剤、漂白剤、薬品は使用しない
- 十分に自然乾燥させる
- 広範囲の汚れや破損は専門業者へ相談する
和紙壁紙は通気性のある紙素材のため、雨漏り、結露、下地の水分、アクなどが表面へ現れる場合があります。表面だけを処置せず、下地や室内環境を確認し、原因を解消してください。
施工前の最終確認
チェックリスト
- 品番・数量・ロットを確認した
- 材料に傷や水濡れがない
- 割り付けと継ぎ目の位置を決めた
- 重ね貼り・突き合わせを決めた
- 下地の色と吸水性が均一である
- パテとシーラーが乾燥している
- 施工に適した接着剤を用意した
- 試し貼りで仕上がりを確認した
※本ページは一般的な施工の目安です。実際の施工では、商品ごとの仕様、現場の下地、接着剤メーカーの施工要領を優先してください。



